「OCRとRPA、結局何が違うの?」という疑問
業務効率化を調べていると、OCRとRPAという2つの言葉がセットで語られることがよくあります。「同じようなものだと思っていた」という方も多いのではないでしょうか。この記事では、OCRとRPAの役割の違いと、組み合わせ方の考え方を整理します。OCR単体の比較検討は「AI-OCR完全ガイド|選び方・比較・料金から導入までまるごと解説」でも詳しく解説しています。
OCRとRPAはそれぞれ何をするものか
OCR(AI-OCR): 紙の帳票やスキャンした画像から、文字情報を読み取ってデータ化する技術です。「紙に書かれた情報を、パソコンで扱えるデータに変換する」役割を担います。
RPA(Robotic Process Automation): パソコン上で行う定型的な操作(データの入力、システム間の転記、決まった手順の繰り返し作業など)を自動化する技術です。「すでにデータ化されている情報を使って、決まった作業を自動で実行する」役割を担います。
つまり、OCRは「紙からデータへの変換」、RPAは「データを使った定型作業の自動化」という、担当する工程が異なります。
なぜセットで語られることが多いのか
多くの業務では、「紙の帳票を読み取ってデータ化する」工程と、「そのデータを別のシステムに入力する、あるいは別の処理につなげる」工程が連続して発生します。この一連の流れを効率化しようとすると、自然とOCRとRPAの両方が話題に上がることになります。
例えば、紙の請求書をOCRで読み取ってデータ化し、そのデータをRPAが会計システムへ自動的に入力する、という組み合わせが典型的な例です。
OCRとRPAを組み合わせる際のポイント
1. まずOCRの読み取り精度を確認する
RPAは、渡されたデータをそのまま処理する仕組みです。OCRの読み取り精度が低いまま連携させると、誤ったデータがそのままRPAの処理に流れてしまうリスクがあります。組み合わせる前に、OCR単体での読み取り精度を十分に検証しておくことが重要です。
2. 人によるチェック工程をどこに置くか設計する
OCRとRPAを完全に自動連携させると、間に人のチェックが入らなくなります。ミスが発生した際に気づきにくくなるため、どの工程で人が確認するかを事前に設計しておく必要があります。
3. 段階的に自動化範囲を広げる
いきなりOCRからRPAまで全自動化を目指すのではなく、まずはOCRによる読み取りとデータ化だけを導入し、運用が安定してから自動転記の範囲を広げていく、という段階的な進め方も有効です。
自社にはどちらが必要か
「紙の帳票を扱う業務が多く、手入力・目視転記に時間がかかっている」という課題であれば、まずはOCRの導入が効果的です。「すでにデータ化された情報はあるが、そのあとの入力作業・繰り返し作業に時間がかかっている」という課題であれば、RPAの活用を検討する余地があります。両方の課題を抱えている場合は、OCRとRPAを組み合わせた全体設計を検討するとよいでしょう。