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<コラム>【製薬企業向け】営業効率化の秘訣/BPO活用でノンコア業務を削減
この記事では、製薬業界の営業部門において日々の活動を支える業務や定型的な作業の効率化を図る手段として、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)の活用について解説します。営業戦略の推進に集中できる体制を整えるための具体的な方法や成功事例を紹介し、業務の最適化を目指す企業に向けた実践的なアドバイスを提供します。

1.業務効率化の新常識 - 製薬営業のBPOで生産性を最大化
「本当に必要な業務に集中できていますか?」
企業の成長には、コア業務に注力することが不可欠です。しかし、多くの企業が経理や総務、庶務、営業サポート対応や顧客サポート、データ管理・分析などのバックオフィス業務に時間を取られています。
特に、近年の製薬業界では新薬開発の激化と規制強化が進む一方で、営業活動の効率化が求められており、限られたリソースを最大限に活用することが課題となっています。そこで、有効な手立てとして注目されているのが BPOの活用 です。
BPOサービスを導入することで、マスターデータ管理や市場データ分析などの煩雑な業務を専門チームに委託し、自社のコア業務に集中する環境を整えることが可能になります。
また、法規制が多い製薬業界ならではの課題にも柔軟に対応できる点が大きな魅力です。
BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)とは
「BPO」とは、自社の業務の一部を外部企業に委託し、効率化を図る手法です。一般的にはコールセンターやバックオフィス業務などが想起されやすいですが、近年は高度な専門知識やノウハウを求められる業務へのBPO導入も増えてきています。
2.製薬業界の営業における課題 なぜアウトソーシングが必要なのか?
製薬業界では、新薬の研究開発や学術情報提供など専門性の高い業務が多く、法規制対応も求められます。BPOを活用すれば、周辺業務を専門家に委託し、社内リソースをコア業務に集中させることが可能です。例えば、販売データ分析やマスターデータ管理を外部に任せることで、営業現場の業務効率や戦略立案の質を高めることができます。
また、BPO導入により最新のテクノロジーや高度なセキュリティ対策を活用でき、コスト削減や品質向上、競争力強化につながります。営業担当者は多岐にわたる業務を抱えており、定型業務やデータ分析を同時にこなすのは非効率です。
BPOを活用すれば、作業負荷を軽減し、営業戦略の高度化や人材育成、新規プロジェクトへの投資余力も生まれるでしょう。

5.製薬業界向けBPO導入の具体例と成功事例
製薬業界の営業活動を支えるバックオフィス業務は、マスター整備、実績データの集計、レポート作成、市場情報の取り扱い、デジタル施策の運用など多岐にわたり、常に正確さとスピードの両立が求められます。
卸の統合、施設の開設・閉鎖、製品名や組織名の変更などに伴う情報の更新作業は、突発的に発生することも多く、ミスの許されない対応が日常的に求められます。
業務の属人化も起こりやすく、限られた人員でこれらを安定的に回すには相応の負荷がかかるのが実情です。
こうした状況を受け、一部の業務をBPOとして外部に委託する企業が増えています。単なるリソース補完にとどまらず、業務の見える化や標準化、プロセス改善といった効果も伴い、着実な成果を上げているケースが多く見られます。
- ・ 手順が煩雑で工数のかかっていたマスター整備業務をBPO化したことで、更新作業の正確性とスピードの両立が可能となり、業務の安定運用につながった。
- ・ 定型的な登録・集計・レポート業務を外部に切り出すことで、社内では分析やプロモーション施策の立案といった、より付加価値の高い業務に注力できるようになった。
- ・ “必要ではあるが、本来注力すべきではない業務”を安心して任せられる体制が整ったことで、営業支援部門全体の対応力・推進力が向上した。
これらの事例に共通するのは、単なる作業量の削減ではなく、“現場の生産性と業務品質の両立を支える仕組みとしてBPOが活用されている”という点です。
BPOの効果を最大化するには、対象業務の選定も重要な鍵を握ります。
特に委託効果の高い業務領域と、導入によって得られている改善成果についてご紹介します。
1.マスターデータ管理
製薬企業の営業活動を支える基盤として、医療施設・医療従事者・卸・製品などに関するマスターデータの整備は欠かせません。こうした情報は、販促活動、SFA・CRMシステムの運用、さらには市場分析や社内レポートにも広く活用されており、その正確性と鮮度は日々の業務品質に直結します。
しかし実際には、施設の開設・閉鎖や組織再編、製品情報の改定など、継続的かつ突発的な情報更新が頻繁に発生し、現場に大きな負荷がかかっているのが実情です。
とくに属人化しやすい業務でもあり、ミスや遅延による影響を最小限に抑えるには、体制面での工夫が求められます。
マスターデータ管理におけるBPO活用は、単なる業務代行ではなく、「情報資産の維持・活用」を支える戦略的な業務支援として、営業活動全体の安定性とスピード向上に貢献しています。
CACでは業務に精通したスタッフにより施設・医療従事者マスターをはじめ、卸マスターや製品情報、組織変更への対応、さらには情報提供業者への申請業務など、実務に即した対応が可能です。
また、マスターデータをもとにしたレポートの定型出力や、個別リクエストに応じた情報提供、社内外からの問合せ対応も委託範囲に含めることで、データ活用の精度とスピードを維持しつつ、部門全体の業務効率を高めることができます。
2.実消化データ運用
卸販売実績や処方傾向を示す実消化データは、製品の拡販戦略やエリアごとの重点施策を設計する上で欠かせない情報源です。
しかしこのデータは、伝票の件数が膨大なうえ、卸ごとにフォーマットや内容のばらつきがあるため、正確な分析を行うには前処理・変換・補正といった細かな作業を継続的に行う必要があります。
CACでは、実消化データの取り扱いに特化したBPOサービスの作業メニューとして、以下のようなものがあります。
- ・伝票の登録・訂正・保管
- ・変換エラーの調査
- ・マスター登録
- ・除外処理
これらの業務を標準化されたフローで実施することで、データ整備の負荷を大幅に軽減し、分析に活用できる状態で安定供給します。
また、定型レポートの定期出力だけでなく、個別の分析依頼にも柔軟に対応。社内ニーズや部門ごとの切り口に合わせたデータ提供が可能で、営業企画やマーケティング部門の判断を支える基盤として機能します。
膨大な実績データを“使える情報”へと変換することで、市場の変化を捉えた高度な意思決定や、重点製品・重点エリアの選定、営業施策の最適化が可能になります。CACのBPOサービスは、実績データの整備・提供を通じて、製薬企業における営業戦略の精度と判断スピードの向上を支えています。
3.市場データ活用支援
新薬の市場導入や既存製品のシェア維持・拡大において、市場データの活用は欠かせません。
製薬企業では、疾患領域ごとの市場規模や地域別の販売傾向など、さまざまな外部データをもとに、タイミング・戦略・価格の判断が求められます。一方で、市場データは提供元によって構造や粒度が異なり、社内で利活用するためには定期的なデータ取得・加工・ロード処理や、マスターの維持管理など、専門性の高い運用が必要です。
CACでは、IQVIAやエンサイスなどの市場データを対象に、以下の業務を一貫して対応します。
- ・各種マスターの登録
- ・データの取得・ロード
- ・定型・新規レポートの提供
製品別・エリア別・時系列での集計やレポート作成にも対応しており、営業戦略やマーケティング方針の検討に必要な情報をタイムリーに提供します。
CACの支援により、戦略立案に必要な情報を、必要なタイミングで、誰でも活用できる環境が整うことで、新薬の発売戦略や競合対応、市場の変化への即応性が高まり、データドリブンな営業企画・マーケティング活動の推進につながります。
4.デジタルマーケティング運用支援
医師や薬剤師をはじめとする医療従事者の情報収集スタイルは、ここ数年で大きく変化しています。
ウェビナー、オンライン学会、メールマーケティング、SNSなどを通じたデジタルチャネルでの情報提供が主流となり、製薬企業においてもデジタルマーケティングへの取り組みが加速しています。 一方で、こうしたチャネルを安定的に運用するためには、最新ツールやプラットフォームの理解と活用、専門的なオペレーション、そして多岐にわたる準備・管理作業が欠かせません。
社内でリソースを確保しながら、品質とスピードを両立するのは容易ではなく、多くの企業が運用面での課題を抱えています。
CACでは、デジタル施策の実行に必要な下記の業務を包括的に支援しています。
- ・医療従事者向けサイトのコンテンツ登録・会員管理
- ・SNS投稿・モニタリング
- ・Webセミナーの開催支援
- ・配信メールの準備・送信
- ・営業資材の管理
また、社内レビューや承認対応、社内向け共有サイトの構築・更新など、関連部門との調整を伴う周辺業務までサポートすることで、現場の業務負荷を大きく軽減します。
デジタル施策の定着が進む今、安定した運用体制の構築は、営業・マーケティング部門の力を最大限に引き出す鍵となります。
CACは、継続的かつ高品質な実行支援を通じて、企業の情報発信力と現場の推進力の向上に貢献しています。
6.CACが提供する製薬企業向けアウトソーシングサービス
CACは、1971年のサービス提供開始以来、数多くの製薬企業を支援してまいりました。
長年にわたり培ってきた豊富なノウハウを活かし、貴社の課題に最適な解決策をご提案いたします。 貴社の競争力をさらに高めるために、ぜひCACのアウトソーシングサービスをご活用ください。
- ・ 製薬営業バックオフィス業務支援サービス <サービスの詳細はこちら>
マスター管理、実消化データ運用、市場データ活用支援、デジタルマーケティング運用支援など幅広いサービスを支援 - ・ 営業系システムアウトソーシングサービス <サービスの詳細はこちら>
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7.まとめ
製薬業界における営業活動を支えるさまざまな業務の効率化を図る手段として、BPOは非常に有効です。
BPOを活用することで、日々の情報整備やデータ管理、資料作成などにかかる負担を軽減でき、営業担当者や関係部門が本来注力すべき活動に集中できるようになります。
一方で、BPOの導入にはセキュリティ対策や業務標準化の課題も伴います。成功の鍵は、自社の業務フローを整理し、適切なパートナー企業を選定することにあります。
今後、AIやRPAとの連携によるBPOの進化も期待されており、製薬業界の営業活動におけるさらなる効率化が見込まれます。
BPOを上手に活用し、業務の効率化と成果の最大化を両立することで、営業部門全体のパフォーマンスを底上げしていくことがますます重要になります。